気比神宮近くにポツンとある平屋。改修前はそんな印象でした。
前に住まわれていた方は地域の歴史を研究されていた方で、その思いを受け継ぎ、地域に開かれたワークショップをする舞台として改修をすることになりました。
築60年以上となりますと交換が必要な個所も多々ありましたが、耐震改修を施し、当時の職人さんの手仕事の跡として残せる部分は残し、日本の民家として次の世代への橋渡しをする建物となりました。
モルタルの外壁は正面を杉板張りに。周囲の景観に合わせた佇まいとなりました。
正面の雨どいは鎖樋を採用。雨の日も楽しませてくれます。
残せる部材は残し、壁は新たに漆喰を塗りました。
今では手間がかかってしまい、なかなかできない設えも多くみられます。
襖も使えるものはそのまま残しました。新築では表現できない味わい深さがあります。
キッチンは作り付けです。無垢のヒノキ天板が映えます。
玄関ドアを開けると、植栽の揺らぎが壁に影を落とします。